デビッド・ベナビデスの知られざる過去

スペンスvsポーターのPPV興行の前座で、アンソニー・ディレルを9回TKO
で破り、見事王座奪還を果たしたS.ミドル級王者のデビッド・ベナビデス。
同階級において、史上最年少の若干20歳で戴冠を果たした彼だが、
そのボクシング歴は、エリートとは程遠い異色のものだった。

・肥満児だった少年時代 〜エリートの兄との比較〜
デビッドが本格的にボクシングを始めたのは13歳の頃。ボクシングを始めた理由は、兄のホセ(元S.ライト級暫定王者)の影響と….
自身の肥満を解消するためであった。

実は、当時のデビッドは、体重が115kgもあり、学校でもいじめに遭っていたという。当時の映像がこちら⇩

当時から二枚目で、アマ・エリートとして注目を集めていた兄とは対照的に、自信なさそうにはにかむ少年の姿がそこにはある。

将来を嘱望された兄のホセは、トップ・ランクと契約し、華々しくプロとしてデビュー。それに対し、アマ戦績も15戦そこそこだったデビッドは、トップ・ランクから「太っちょの弟はいらない」と言われ、サンプソン・プロモーションと契約した。

・プロでの躍進 / トップ・ランクへの移籍騒動
兄との比較、自身の肥満などコンプレックスを抱えたままプロ入りしたデビッドだが、そこから躍進が始まる。プロモーターのサンプソンといえば、かつてあのパッキャオやセルジオ・マルティネスがまだ無名のダイヤの原石であった頃、彼らの才能を見込み、アメリカに初めに連れてきた眼力の持ち主だが、そのサンプソンの元、デビッドは潜在能力を一気に開花させ、急成長を遂げていく。
2017年9月には、ロナルド・ガブリルを判定で破り見事戴冠。20歳での世界王者は、S.ミドル級が始まって以来、最年少記録であった。

そんなデビッドの大躍進に、かつて契約を拒否したトップ・ランクも興味を持ち、なんと、デビッドがサンプソンと契約期間中であるにもかかわらず、契約金約3千万円を支払い、いきなり契約をしてしまった。これは、デビッドのマネージャー(当時)のビリー・ケーンが、サンプソンとデビッドが契約中であるということを知りながら、大手のトップ・ランクと契約させて、自身もキックバックを得ることを画策したもので、トップ・ランク、デビッドに対して情報を正しく開示せずに契約までこぎつけたものであった。焦りに焦ったサンプソンは、トップ・ランクとケーンを相手に訴訟を起こし、なんとかデビッドをつなぎとめた。
(最終的に、ケーンが裏で仕組んだ事実を知ったサンプソンは、トップ・ランクに対しての訴訟のみ取り下げた。)

・今後の展望
若干22歳にしてFOX・PPV興行のセミを務めあげた器は計り知れないものがあり、今後が非常に楽しみな選手の一人である。
同じPBCに属するIBF王者のカレブ・プラント等との統一選の実現も期待され、S.ミドル級の中でも体格が大きいことから、将来的にはL.ヘビー級へ階級を上げて複数階級制覇も狙えるかもしれない。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。