Are You hungry?

 さて、2019年の日本ボクシング界も幕を開けました。例年どおり、1月は国内の試合、興行は少ないですが、12日の『DANGAN220』、19日の『第580回ダイナミックグローブ』とも大盛況。前者は1806人、後者は1731人を集め、近年、タイトルマッチがあっても1000人割れが目立ってきた後楽園ホールの熱気は、それはそれはなかなかのものでした。

『DANGAN』は日本タイトルマッチが2試合、『ダイナミック──』は和氣慎吾(FLARE山上)、阿部麗也(KG大和)ら人気選手が出たこともありますが、毎年1月に感じるのは、「ファンがボクシングに飢えている」ということです。
 今月は、他地区の興行はゼロ。後楽園だけで4興行しかありません。カードにもよりますが、それでも、“週1”ならば、「見に行ってみよう!」って、決して高くないチケットを買う気にもなるかもしれませんよね。
 多いときだと、1週間の毎日が全部興行で埋まってるなんてこともありますよね。それに全部足を運ぶなんて、年間シートを持っている人、関係者しかいません。ここが難しいんですが、もう少し分散させたりできないもんでしょうかね。いや、「会場を押さえるのは年頭だから」っていう事情もわかりますが。せめて、同じ日、同じ時間帯に、同じ地区で複数興行あるのだけはやめてほしい。同地区でお客さんを食い合ってどうするんだ? って、もう何年も前から首を捻りすぎて、1回転してしまいました(苦笑)。

 興行が後楽園ホールに集中しているのもどうかなぁ…って思っていました。“聖地”と呼ばれて久しいホールですが、いまや誰でもかれでも(っつったら乱暴な言い方かもしれませんが)上がることのできるリングと化してしまい、“聖地感”も薄れている気がしないでもありません。コンサートホールとしての日本武道館と一緒っすね。
 かつて「武道館」といえば、本当に大物しか立つことができなかったステージでした。これは、ビートルズが初来日したときに公演して、世界中に“ブドーカン”の名が広まり、ある意味“聖地”扱いされた結果。ローリング・ストーンズの“幻の武道館公演”も一役買ったかたちでした。
 しかし、いまや日本武道館も誰でも立つことのできるステージとなってしまい、私のようなオールドファンは、「なんだかなぁ……」って冷ややかな目で見てしまっているのです。後楽園ホールも同じ現象が起きてるんじゃないかなぁ。

 アクセスも最高。駅からも近い。会場として、こんなに恵まれたところはありません。でも、そう簡単に上がれないリング。そんな場所をみんなの手で作り上げることも必要かもしれませんな。

 で、幸い、後楽園ホールはプロレスやらなんやらにけっこうスケジュールを押さえられてしまい、同会場で開催されるボクシングは減るという噂も……。それを逆手にとってみるのもよいじゃないですか。

 2月には石川ジム立川が地元・立川市で興行します。DANGANもホールじゃないところでの興行を計画すると聞いています。地域密着、いいじゃないですか! ホールを離れるの大いに結構! そうやって、「さらに選ばれし者が“聖地”に立てる」っていうカタチができてもいいかもしれませんね。

 ところで、12日には元WBA世界スーパーフライ級チャンピオン河野公平(ワタナベ)の引退式がありました。普段はしゃべりすぎる(笑)リングアナも落ち着いていてよかった。口数の多くない河野の、絞り出すように快活に話す姿も素晴らしかった。なにより、河野を応援してきた人々の温かい眼差しが四方から注がれていたのが素敵でした。

 引退式も特別な存在だけが行える儀式だと思うんです。が、近年はその“線引き”も曖昧で辟易。さらに、勝利者インタビューや、勝者の撮影も誰彼かまわずやってる。あれも“選ばれし者”だけがやるべき。最近、試合数をぶっこみすぎて、ただでさえ終了が遅くなるのに、さらに時間がかかってしまう。申し訳ないが、選手も“勘違い”してしまう。

 先日、某ジムに取材に行ったときのこと。さるネット記者に、4回戦ボーイが近づいてきて声をかけたのが聞こえました。

「僕、今度新人王戦に出るんですけど、取材して記事を載せてもらえますか?」

 さすがにその記者は苦笑いして断ってましたが、取材を受ける、記事にしてもらうのも“選ばれし者”。そうしてもらいたいから頑張る! というモチベーションも必要だと思うんですが。

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