`全身‘を見て楽しむ

 ボクシングの楽しみ方っていろいろありますよね。1対1で戦う姿は純粋にカッコいい!ってのがいちばん。日常生活では当然、人なんてぶん殴れませんから、日頃の憂さを代わりに晴らしてもらうとか。ちょっと進めば、「よけるって凄いぞ!」ってなりますし、倒れても立ち上がって反撃して、逆転勝利なんて見届けた日にゃ、人間の強さ、逞しさにシビレてしまいます。

 それもこれも、毎日毎日、彼ら彼女らがコツコツと努力を積み重ねているからこそできる至高の芸当で、それを競い合い、削り合い、ときには命の危険さえも感じさせてしまう。この、“危険な香り”ってのが、ボクシングをスポーツであってスポーツでない、どうにも人を惹きつける魔力なんであります。

 そんな力に惹きつけられ、人生を変えてしまったってのは、ボクサーや関係者だけではありません。かくいう私もそんなひとりで、でも、後悔なんて一切しておりません。いやむしろ、「ボクシングに出会えた己の人生に感謝」なのです。ボクシングファンはきっとみんなそうじゃないかな。

 ボクシングを毛嫌いする人って、「単純な殴り合い」としか見ていないし、それを「野蛮だ」って批判するのは当然。いや、ハナからシャットアウトしている方々に、「ボクシングファンになってよー」って無理強いすることはいたしません。それは私を「ハロウィンの日に渋谷に行こうよ~」って誘うようなもんですから。そんなこと言ってくれる物好きはもちろん、ただのひとりもいませんが(笑)。

 話を戻しますね。「ボクシングの楽しみ方」。これも人それぞれで、自由で結構。なので、ここでは私の楽しみ方のひとつを。

 やっぱり“足”ですね。

 ボクシングは両拳(グローブ)と腕だけで戦っているように見えますが、足です。足が重要なんです。

 足と言ってもいろいろ。いまじゃめっきり減りましたが、ちょんちょんと飛び跳ねるもの。ススッとすり寄るもの。逆に、サッと距離を取る防御のそれ。いわゆる“フットワーク”ですな。

 でも、私の場合は“スタンスをとる脚の形”とか“パンチを打つときの足の位置”に特に興味があります。

“足”と“脚”。2種類の漢字をなんとなくニュアンスで使い分けますが、そこはそれぞれ、なんとなーく汲み取ってください。

 足でも脚でもどちらでもいいんですが、そこに着目する場合、会場の遠くのほうからだとわかりづらい。だから、リングサイドで見るのがいちばんなんですが、それもままならないときは、映像や写真を有効利用したい。でも、テレビカメラも写真もどうしてもバストアップが多くなってしまいます。当然ですよね。パンチが当たる瞬間を捉えるのがあの方々の仕事ですから。

 けど、こんな私の“癖”を満たしてくれる映像も写真も、多くはないけれどもあります。テレビなら、何台かあるうちのサブカメラ、写真についてもボクサーの全身を撮ってくれるカメラマンが極少数ですがいますから。

 パンチをどんな形で打っているか、守っているか。全身が映っていて(写っていて)はじめてわかるもんです。

 選手や関係者も、全身が入っている映像や1枚の写真を凝視しているんじゃないかなぁ。前に石井一太郎会長と話したとき、石井会長も「足しか見てません」ってはっきりと言ってましたし。やっぱりボクシングにとって、“足(脚)”は大事なんですよ。というか、どのスポーツも足は大事。いや、足だけじゃなく、“全身”が大切です。

 最初に書いたとおり、ボクシングには人ぞれぞれ様々な楽しみ方があります。でも、ボクサーの「全身を見る」。そんな楽しみ方があるということも、ひとつ頭に入れていただけると幸いです。

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