バンコク遠征記 高橋竜平タイトルIBF地域タイトル統一と、タイ側の不正行為の一部始終


この試合はIBFアジアパンパシフィック王座統一戦。
高橋がIBFパンパシフィック王者。
タワッチャイがIBFアジア王者。
高橋はベルトを日本に忘れて来た。

会場となる台湾スクエアは満員だった。
かなり盛り上がっている。
IBFアジアパシフィックタイトルマッチは、
2試合目と言われていたが、
リングに向かう直前に3試合目に変更となった。

これぞタイクオリティ。

入場しリングインしてから、
各来賓、スポンサーの紹介等が延々と続く。
これもタイクオリティ。
20分ほど経ったところで国家斉唱。
異国で聞く「君が代」は、やけに闘争心が掻き立てられる。

この国で10-9はダメなんだ。
10-8.8
3人のジャッジが割れる要素がないくらい明確でないとポイントは難しい。
だからといって、
自分のボクシングを崩してまで前に行けば行くほど、
逆に捌かれやすくもなる。
そこのバランスを整える練習をしてきた。
序盤は一進一退。

中盤あたりから、
高橋の猛攻にタワッチャイは徐々に消耗を見せ始める。
ラウンド開始のゴングが鳴っても、
10秒くらいタワッチャイ陣営はリングを下りない。
レフェリーも急かす様子なく、
リング中央でタワッチャイが出てくるのを待っている。
明らかな遅延行為。

また、
高橋が猛ラッシュを仕掛け、
タワッチャイがロープに詰まり防戦一方になると、
突如終了ゴングが鳴る。
ストップウオッチを確認すると、
2分42秒。

終盤に入ると、
もはやタイ人は逃げ回ってるだけだ。
無尽蔵高橋の手数はますます増えていく。
後楽園ホールなら、ストップになってもおかしくない展開。
試合終了と同時に、
タワッチャイは力なくリングに倒れ込んだ。
高橋はトレーナーが肩車して勝利をアピール。
117-111が2人、116-112が一人で高橋を支持。

このあと、松永の試合を控えていたため、
俺は控え室に戻る。
第3試合の高橋との間に、
4回戦がふたつ入ると聞いていた。
切り替えるために、一呼吸欲しい。
俺は一服するため控室を出る。

リングに目をやると、
なんと、
松永の対戦相手であるパトムサクがすでにリングインしている。
俺はそのまま建物の外に出て、
タバコに火をつける。
聞いてる話と違うからね。
こっちがリングにあがらなきゃいいだけ。

異国では、
ときに傲慢に、横柄に、図々しく振舞わなければ、
向こうのペースに巻き込まれてしまう。

結局、あいだに4回戦が入ってから松永の出番。
この試合は8回戦で契約していた。
試合交渉の時、
タイ側は6回戦を希望し、俺は8回戦を主張。
6回戦ならやらないとつっぱね、
8回戦で試合が決まった。
だが、リング上でレフェリーがまさかの一言。
「この試合は6回戦です」

松永は初回から積極的に仕掛ける。
3倍のキャリアがある元世界ランカーパトムサクも右を強振して反撃。
中間距離では足を踏んだり、
接近戦になると足をひっかけ小外刈りを仕掛けてくる。
レフェリーは見て見ぬフリ。
構わず松永は積極的にワンツーを打ち込み、
ガードの上からでもフックを叩きつける。
「ラスト30秒!」
試合を終えたばかりの高橋が、
セコンドにつき大声で叫ぶ。
「カンカンカン」
その瞬間、ゴングが鳴る。

もうここまでくると笑えてくる。
結局、4Rで仕留めてきったものの、
たぶん全ラウンド2分30秒だった。

高橋、松永はタイ側の何重にも張り巡らされたトラップを乗り越え仕事を完遂。
2人とも逞しくなった。

試合後は、
カオサンロードにてW杯観ながら明け方までパーティー。
至福の時間。

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