2度の試合中止 赤穂亮のこれから

お詫び行脚を終え、
俺は再びバンコク。

遠い昔の出来事のように感じるが、
まだ2年ちょっと前か。
赤穂亮がタイで世界戦に挑む時、
プロンポン駅の目の前にあるこの公園で最終調整をおこなったんだ。
この時、
サポート役として同行していたのが当時6回戦の望月直樹。
あれから2年の時を経て、
望月直樹がタイでIBFパンパシフィック王座12回戦に挑戦する。

こういうのが嬉しいよね。
チャンピオンのエクタワンは、
世界タイトル挑戦経験もあり、
ドニー・ニエテス、
ファン・カルロス・レベコ
とも敵地でフルラウンド戦っている本物の世界ランカーだ。
この大会の前座で、
急遽、利川聖隆の6回戦も決まった。
当初、3月にインドでの試合を予定していたが、流れてしまったばかりだった。

先日のダイナミックグローブ。
試合直前に赤穂亮の体調不良により試合中止。

鈴木悠介選手、
三迫ジム関係者、
日本テレビ放送網、
帝拳プロモーションに大変なご迷惑をおかけした。
コミッションにも呼び出しをくらった。
昔からよく先生方には呼び出されていたが、
35歳になっても、
まだ俺は呼び出されるらしい。
三者面談じゃないだけ、
大人になったってことか。

3度目の世界戦を目指し、
赤穂には厳しいマッチメイクを課してきた。
現WBOアジア王者勅使河原戦も組んだし、
日本タイトルからやり直しもさせた。
3度目の世界挑戦を目指し、
タフなマッチメイクを生き残ってきた。
立派だよ。
だからこそ、
それ以外の部分では彼の自由にさせていた。

この試合に向けて、
どれだけの人間が金、労力、時間を捧げてきたか。
スポンサーになってくれていた人がいる。
新聞社も何度も興行広告を出してくれ、
応援者を募ってくれている人達もいた。
RONERは数十時間かけて作ったトランクス、ガウンを彼に提供してくれた。
すべての人間の無償の働きを水泡にするばかりか、
顔を潰された人もいる。

赤穂亮の今後に関しては、
これから時間をかけて考えようと思う。
プロ失格ってよく言うけど、
そういう問題じゃないでしょ。
一人の人間としてOUT。

赤穂だけでなく、俺も多くの人の信用を失っただろう。
俺らも社会の一部である以上、
人からの信用の上で飯を食っている。
この信用ってのはかなり脆弱に成り立っていて、
いくらコツコツと貯めていこうと、
一発で簡単に吹き飛ぶ。
何年来の友人だって、
一緒に仕事した途端関係は壊れるし、
オネーちゃんと一発かましただけで、
何年も付き添ってきた嫁は実家に帰っちまう。
赤穂は2発かましちまった。
あ、計量失敗の話ね。

人間は恥を晒さなきゃ強くなれない。
俺も恥をさらし、
下げた頭には白いもんが混じってきている。
でも、少しずつタフになっていってるよ。
そして、さらに恥をさらすという諸行無常。

赤穂よ「言い訳せずに誠実に恥をさらしてこい」
今後のことはそれから。

とりあえず、
俺はこの地でほとぼりが冷めるまでゆっくりすることにする。

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