セコンドの投げるタオル

2017年8月15日
WBC世界バンタム級王者の山中慎介がルイス・ネリとの13度目の防衛戦に臨み、
4ラウンド2分29秒にTKOで敗れた。
最後のシーンは、セコンドによるタオルだった。
これが大きな論争を巻き起こす。

V13具志堅超えに失敗した山中はタオル投入の暴走がなければ勝てていたのか

セコンドによるストップは早かったのか?
早い、とは思った。
日本記録のかかった究極の舞台だからね。
でもセコンドのタオルって、
早くなきゃ意味がない。

だいたいのジムにおいて、
日頃からマンツーマンで練習を見ているトレーナーがチーフセコンドにつく。

チーフトレーナーが選手のバンテージを巻いて、
試合前のアップをして、
戦術の確認をし、
選手とともにリングに入場する。
試合が始まれば、
自分の選手に声が届くように大声を張り上げ、
自分の選手の一挙手一投足を見逃さず、
そのうえ対戦相手のことも見なければならない。
ラウンド間には叱咤激励、指示を出す。
そんな中、ポイントの把握も必要になってくる。
そして、タオルを投げる権限を持っている。

はっきり言って、
キャパオーバー、だと俺は思う。
まぁ、
トレーナーに聞けばみんな「俺は大丈夫」って言うけど。
職人気質の人が多いからね。
でも、一番近くにいるからこそ見えるものもあるが、
見えなくなるものもある。

セコンドは勝つための策を講じ、
一方で、
選手の安全を最大限に配慮しなければならない。

この極端に相反することを、
1人の人間に担わせるのは酷だ。
スポーツ記事では、
帝拳ジムはそこを浜田さんとトレーナー陣で分担していた。
俺もこうあるべきだと思う。

俺もチーフセコンドにつく場合、
試合中に、セコンドに入っていないトレーナーと話をするようにしている。
そんなに視点がズレてるわけではないが、
気づかされることは多々ある。

外から見ていたり、
なんの責任もない人間は好き勝手にいろんなことが言える。
まぁ、それを楽しんでくれればいいけど。

自分が現場にいたらどういう判断ができるのかは、
その場に立ってみなければわからないし、
自信もあるわけではない。
それくらい、
セコンドもギリギリのところでやっている。

タイトルマッチのリングにあがる選手は、
この日のためだけに、
長い年月あらゆることを犠牲にしてきている。
チーフトレーナーは一番近くでそれを見ている。
できることなら、
そこも加味してあげたいんだ。

だからタオルを投げるタイミングは難しい。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。