ロシアの歩き方3 日露対抗戦 金子大樹敗北

お互い指差しあいながら、
「お前の顔面もボッコボコじゃねーか!」

試合が終わり、念のための検査に病院へ。
なんと、パベル。マリコフも治療を受けていた。
ちなみにこの深夜の病院には、
もう1人患者がいて、
頭皮がざっくりと割れ左顔面には乾いた血がべったりと張り付いている。
なのに、
診察室の前のベンチに腰掛け、
足を組みながらニヤニヤしながら珈琲を飲んでるんだ。
そのうえ、金子とマリコフを指差しながらヒャッヒャッ笑っている。
たぶんだけど、
お前が一番重傷だから。

スポーツパレスウラロチカ
全盛のPRIDEを彷彿させるような演出。
プーチン大統領来館の予定があり、会場付近は厳戒態勢。
出場関係者の俺たちですら、控え室から出してもらえない。
結局、大統領は来なかったけど。

的確なジャブで最高のスタートを切るも、
1R終了間際に金子は痛恨のダウンを喫してしまう。
2R以降、金子が攻勢をかけ、マリコフが捌きピンポイントで強打を打ち込んでくる。
一進一退だが、敵地ということを考えるとポイント上は難しい。

だが、中盤から金子がより攻勢を強めるとマリコフが疲弊していく。
終盤にはみるみるとマリコフの顔面が変形していき、捌くというよりも後退。
金子の傷の確認やマリコフのテーピングの巻き直しなど、
レフェリーは何度も試合を中断し、
露骨にマリコフに休息を与える。

最終ラウンド、
金子の左ストレートでマリコフがダウンするもレフェリーはスリップと判断。

95-94で一者が金子を支持、
97-93、95-94で二者がマリコフだった。

試合終了後、
会場が一体となって拍手喝采の嵐に包まれ、
金子大樹が控え室に引き上げる際には、
「You win!You win!」
とロシアの大観衆に見送られた。
だけど、
欲しかったのは喝采ではなく勝利なんだ。
二者がわずか1ポイント差も、
勝利と敗北では天と地だ。

試合翌日、
金子大樹はロシアまで観戦に来た応援団と過ごすため、
俺とトレーナー北原は街に出た。


地下鉄に乗って、中心街に出る。

どこの国に行っても、
だいたい最終日ってのは現金がない。
俺はアメリカンエクスプレスを持っているが、
ロシアでは全く使えない。
そのため、
北原の嫁さんのクレジットカードで高価なランチをいただく。

さらば、ロシア。

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